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『マンホールチルドレン』 NHK-BS

 マンホールチルドレンとは、モンゴルのウランバートルのマンホールの中で過ごす子供たちのことで、その子供たちを取材したドキュメンタリー番組の再放送でした。

 とにかく、自分の今いる境遇の恵まれていることが実感させられる。こういう番組は、もっと広くみんなに見せるべきで、今の日本の人たちに見せるのが一番いいんじゃないでしょうか?子供は自分がどれだけ恵まれているのかわかるし、大人は自分の人生を思い悩んだ時に、なんてちっぽけなことに悩んでいるんだともわかる。彼らの不幸を見て、不謹慎かと思いますが、ある意味教訓にもなるかと思います。

 私が観た再放送番組では、2部構成となっていて、子供たちと初めて出会った当時の映像、そしてそれから、6年後、そしてちょっとだけでしたが、初めて出会ってから10年後という彼らの人生を追った作られたドラマ以上に厳しい現実を映したものでした。


出会った当時のマンホールチルドレン
 ボルト(13歳)、ダシャ(14歳)、オユナ(13歳)の3人のマンホールチルドレンの彼らのありのままを映しています。彼らは、親から暴力を受け家出したり、田舎から都会のウランバートルに家族を助けるためにで稼ぎに来たが、極寒の場所なので、温水が地下に張り巡らされているマンホールの中で、子供たちが、コミュニティーも作り上げ生活していた。
 ボルト、ダシャは、同郷で、ダジャが兄貴格で、他のグループ喧嘩があっても必ず助けるという子供だった。しかし、彼らはあることから喧嘩してしまい、別れてしまう。

 オユナは、とても元気な女の子、しかし、彼女の母もマンホール暮らし。喧嘩をして出てきた女の子。とても明るく、女の子のボス格。将来はコックさんになりたいという希望を語っている。彼らは、生計をホテルのゴミを漁り、見つけた余り物をみんなで分けると暮らしでした。


6年後のマンホールチルドレン
 ボルトは、努力家で、建築現場の作業員なって、自らの家を建て、故郷の母、妹を呼んで、出世したいと希望に満ちていた。そんなところに喧嘩別れしたダジャが居候してきた。彼は、まだ仕事を見つけていないが、なんとか仕事が見つかって、これからお金を貯めて、お嫁さんをもらって、子供は二人欲しいとか夢を語るが、警察から出頭要請を受ける。彼はある窃盗事件に関わっていたのだ。以前は弟分だったボルトは、そんなダジャでも親友だからと庇うのでした。

 一方、オユナは、4年前に一度結婚して、娘まで産んでいた。しかし、相手の実家に馴染めずに家を出て、またマンホール暮らしをしていた。彼女はもう20歳なんですよ。喧嘩した母親と仲直りして、一緒のマンホールで暮らしていたのです。娘は夫からも会わしてもらえなく、悲しみにくれていた。新しい恋人ができ、彼の家で暮らすことになり、彼女はマンホールから出るが、彼の家族とも折り合わず、またマンホールに戻ってしまう。彼女の心の拠り所がマンホールしかないのです。そんな彼女、4年前から会わせてもらえない娘と会えることになるが、娘は、彼女が母とわからないくらい月日が経っていた。


10年後のマンホールチルドレン
 ボルトの家は、立ち退きを迫られたあとで誰もいなかった。ボルトは、なんとオユナと結婚していた。しかし、オユナと折り合わないボルトの母と妹は出て行った。次第にボルトとオユナは喧嘩を始め、産まれた娘を連れて出て行き、マンホール暮らしを始める。一人になったボルトもマンホール暮らし。母も妹もオユナもいなくなってしまったボルトは、酒浸り。

 そんな時オユナは、なんとボルトの親友ダジャと再婚してしまったのだ。ボルトとダジャは、共に廃品回収の仕事をしていたが、関係はぎくしゃくする。ボルトは、オユナに娘を会わせて欲しいと懇願し、会わせてもらうが、オユナは、以前自分が受けた仕打ちをボルトにもするのだった。そんなボルトがオユナに暴力を振るい、オユナは、自分の人生に悲観し、手首を切ってしまう。そんなオユナをダジャは、暖かく見守る。マンホールに戻ろうとする彼女を止めるのはダジャだった。


 これドキュメンタリーなの?演出が入ったドラマと疑ってしまいます。このドキュメンタリー、次は放送できるのだろうか?彼ら3人だけでなく、他のマンホールチルドレンも映りますが、彼らのほとんどは喜怒哀楽が激しく、物事の継続性がないのが特徴だと思った。せっかく仕事を持っても何かあれば辞めてしまう。家族と折り合わなければ、逃げ出してしまう。もちろん社会の問題もあるけれど、日本のあの年末の派遣村の人たちと被ってしまう。社会の問題だけでなく、厳しい書き方になってしまうが、彼らの歩んできた不幸な人生も理由のひとつだけれど、嫌なことは投げ出してしまう。逃げ出してしまう人たち性格であるのが最大の理由でもあるんじゃないか?

 もちろん、頑張っても受け入れられないということもあると思いますが、彼らに関しては、仕事も得られる”機会”があったし、マンホールから出て新たな家族と暮らしていける”機会”もあった。全てのマンホールチルドレンでも派遣社員のことではないです。ですが、このドキュメンタリーの彼らに関しては、そう思ってしまいました。
































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by neo-hachi | 2010-02-07 11:35 | ニュース